◆ 2月14日(日) ◆
とうとう今日という日がやってきた。
薮内に、俺の思いを伝えるのだ。
・・・・が、しかし眠い!!
怖ろしいほどの寝不足だ・・・。
なんとか起きて、待ち合わせ場所へ急ぐ。
手作りのチョコも、もちろん忘れない。
待ち合わせよりも5分ほど早くついたが、なんと薮内はすでに来てくれていた。
「ごめん薮内!待った!?」
「ううん、俺が早く来ちゃっただけだから。じゃ、行こっか。」
二人で街をぶらぶら歩く。
初めて見る私服姿の薮内がものすごく可愛くて、ちらちらと横目で見てしまう。
薮内も楽しそうにしてくれているしよかった!
しばらくして、俺たちは映画をみることにした。
映画は、今話題のラブストーリーだ。
話は佳境に入り、館内からはすすり泣く声が聞こえる。
が。
ね・眠い・・・!!!
ダメだ!
この薄暗さと単調な音楽が死ぬほど眠気を誘う!
なんとか目を開けていようと頑張っても・・・・・・・
ぐー。
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「柴崎!柴崎ってば!」
はっ!
目が覚めるとすでに映画は終了していて、館内にはほとんど人がいなかった。
怪訝そうな顔の薮内が覗き込んでくる。
き・気まずい・・・・・・・
「と・とりあえず出ようか・・・!」
無駄に明るく言ってみたものの、薮内の表情は固い。
どうしよう・・・・途中で寝てしまった俺に怒ってるのかも・・・。
映画館を出ると、外はすでに夕焼けに染まっていた。
お互い無言のまましばらく歩く。
「あの・・・ごめん!俺途中で寝ちゃって・・・・!」
いたたまれなくなって、隣を歩く薮内に思い切って頭を下げる。
薮内は、しばらくうつむきがちにそんな俺を見ていたが、ふいに口を開いた。
「なんか・・・・無理して合わせてもらってたのかな・・って思って・・・・。
柴崎、つまんないから眠くなっちゃったのかな・・・とか考えてた・・・・。
もし無理させてたんなら・・・・・俺の方こそごめん・・・・・・。」
そんな・・・!
ちっともそんなことないのに!
そう言って、薮内の誤解を解きたいのに、視線を落としてしまった薮内には届きそうもない。
こうなったら・・・!
「薮内これ!・・・・俺、昨日夜遅くまでこれ作ってて・・・・・それですごく寝不足だったんだ・・・
お前にこれを渡そうと思って・・・。
だから、無理して薮内に合わせてたなんて、そんなこと全然ないから!」
そう言って、昨日(ほぼ)徹夜で作ったチョコを差し出した。
「柴崎・・・・・・・・これって・・・・・・・・・・」
「美味しくはないかもしれないし・・・・・形も不恰好だけど・・・・
薮内のこと考えて一生懸命作ったんだ・・・!
・・・・・・・・・・俺、薮内が好きなんだ!!
・・・・・・・・・もらってくれないかな・・・・・?」
ふいに体ごと抱き寄せられた。
気付けば俺は・・・・・薮内の腕の中・・・・?
「嬉しいよ、柴崎・・・・・。実は俺もさ、ずっとお前のこと好きだった・・・・・。
チョコ、すっごい嬉しい。」
や・薮内・・・・!
俺たち両思いだったのか・・・・!
俺・・・・・俺も・・・・・ものすごく嬉しい・・・・!
・・・・・・・・・・けど、薮内・・・・・お前ってこんな男前だったっけ・・・・?
俺が薮内に抱きしめられてるの・・・・・?
なんとなく違和感のある俺を、薮内はさらにきつく抱きしめてこう言った。

「チョコもお前も、ありがたく食わしてもらうよ。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・俺が受ーーーーーーーー!!!???
「大好きだよ、柴崎★」
・・・・???