◆ 2月14日(日) ◆

 

 

 

寝過ごした!!!

 

 

 

 

飛び起きて見た時計は、待ち合わせの30分前・・・!

(ちなみに待ち合わせ場所までの所要時間15分。)

 

チョコなんて買っていく余裕はない!

身なりだけ整え、待ち合わせ場所に駆けつけるだけで精一杯だった・・・。

何のためにバレンタインデートを企画したんだ俺・・・!!

 

 

 

息を切らせて、なんとか5分の遅刻で待ち合わせ場所に駆けつけると、薮内はすでに来ていた。

 

「遅い・・・」

「ごめん!!寝坊した!!」

「・・・・・・・・・まぁいいよ。じゃ、どこ行く?」

 

少し頬を膨らませていた薮内だったが、とりあえずは機嫌を直してくれたようだ。

 

初めて見る薮内の私服姿。

制服の時も可愛いけど、今日はさらに可愛く見えてどきどきする。

 

 

街をぶらぶらして、適当に服やCDを見る。

普通の友達とすることは同じなのに、相手が薮内だっていうだけで、めちゃくちゃ新鮮で嬉しい。

歩きつかれて入ったカフェでも、薮内はよく笑ってくれてかなりいい感じ!

 

 

 

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楽しい時間はあっという間にすぎ、ふと気付けば辺りは夕焼けにそまっていた。

二人で人気のまばらな公園を歩く。

さっきから何度か、隣を歩く薮内の手が俺の手に触れるが、

薮内は少しうつむいたまま顔を上げない。

二人とも、口数が少なくなっていた。

 

 

 

 

唐突に気付く。

 

も・もしかして今って絶好の告白タイム・・・!?

 

 

 

 

もしかしなくても完全にそうだ。

今を逃したらチャンスはもうないかもしれない!

覚悟を決めるぞ俺!!

頑張れ俺!!

 

 

「あのさ薮内・・・!」

「あのさ柴崎・・・!」

 

 

 

口を開いたタイミングは二人同時だった。

 

「あ、ごめん!何・・・?」

 

気まずいので薮内に先に譲る。

薮内は両手を握り締めて、何か思いつめたような顔をしている。

・・・かと思うと、突然上着のポケットから何かを取り出した。

 

 

 

 

「これ・・・・・・・・・・・・いらなかったら捨ててもいいから・・・・・・・。」

 

 

 

「え・・・・・・・・・・・・・・?」

 

これって・・・・・・・・・・・・・・

 

その見慣れた物体は、小さいサイコロ型のような台形をした、

 

「チョコ・・・・?」

え、でも

「・・・・・・・・・・・なんで?」

 

 

「なんでって・・・・そんなの決まってるだろ!理由なんて・・・・一つしかない・・・。」

 

 

薮内は、夕焼けのせいか赤く見える顔を背け、右手に持った小さなチョコをこちらに突き出したままだ。

理由って・・・一つしかないって・・・・まさか・・・・でも・・・・・・

期待に胸がどきどきしだす俺にはお構いなしに、薮内は続けた。

 

 

 

「本当はお前のこと、声かけられるずっと前から知ってたよ・・・。

だって・・・・ずっと好きだったから・・・・・・・・・・。」

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・うそ」

信じられない!

 

 

「これ・・・・・もらってくれる・・・・・?」

 

 

ずっと差し出したままの手から、そっと小さなチョコを受け取る。

一日中ポケットに入れていたのか、薮内の体温で温かくなっていたけど。

 

チョコと一緒に薮内を抱きしめる。

 

 

 

 

「俺も大好きだよ!」